孤独が怖いので、コミュニティや社会人サークルに新たに入ることを考えていたら出会った本(【書評】We are lonely, but not alone. 現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ)

書評
  1. 孤独で寂しい、孤独が怖いと感じたことはありませんか?
    1. 人間の最大の悲しみは、孤独?
    2. 孤独とコミュニティについて考える中で、この本と出会った
      1. 自分をとりまく今の人間関係について
      2. 1人暮らしの孤独をどう解決する?
  2. この本で何が得られるのか?
  3. 著者のプロフィール
  4. 本書内容概説
    1. 目次
    2. 内容概説
      1. はじめに・第1章「現代の孤独とコミュニティ」
        1. 現代に至るまでの時間的推移とコミュニティの在り方を追っていきます。
        2. 自由についての思索
      2. 第2章 持続可能な経済圏としてのコミュニティ
        1. 「これから、作家を支えるために必要なのは、健全なファンコミュニティではないか?という仮説を持った」
        2. 基本を守ること
        3. コミュニティを作って成功している企業
    3. 第3章 安全・安心とは何か?
      1. コミュニティを作るうえで、最優先事項は何か?コミュニティが自走するドミノの1枚目はどこにあるのか?
      2. 安全・安心の後の熱狂
      3. コミュニティを動かす仕組みの設計
      4. 自分の物語を聞かせること
      5. 運営方法をまとめると。。。
    4. 第4章 コミュニティを編集する
  5. 本書を読んで感じたこと
    1. 孤独は解消されないが、コミュニティの力で和らげることができる
    2. インターネットのロングテールな世界の中で、好きを中心にしてコミュニティができている、コミュニティを作ることができる
    3. 佐渡島さんの思索の魅力
  6. オマケ:本書の魅力はもう1つある
    1. ITを理解するための本
    2. SNSを理解するための本
    3. コミュニティを理解するための本
    4. コミュニティマネージメントを学ぶための本
    5. 自分をより深く知るための本
    6. 僕を形作った本

孤独で寂しい、孤独が怖いと感じたことはありませんか?

人間の最大の悲しみは、孤独?

2010年にソフトバンクの孫正義社長がtwitterで「人生で最も悲しいことは、何だろう?」とつぶやきました。1日2日で2,500を超える意見が寄せられたそうです。

結果は、

  1. 身近な人の死(21%)
  2. 孤独(14%)
  3. 絶望(11%)

であったと。

ただ、身近な人の死も孤独に責められるということ、絶望もある種孤独であると言えるのではないか。

そういう意味では、人間最大の悲しみは孤独であると言えるのではないか、という話をされています。

確かに孤独は辛いものですよね。

孤独とコミュニティについて考える中で、この本と出会った

自分をとりまく今の人間関係について

今は特に、コロナ禍で人と会えない時期でもありますよね。

そうでなくても、僕は30歳過ぎたあたりで会社の同期や学生時代の友人も結婚したり海外や地方に行ってしまったりして、急に土日の時間を持て余して寂しいな、孤独だなと思うことが増えたんですね。

1人暮らしの自分の部屋にこもるのが嫌で、用もないのに街をふらふら歩いて人の気配を感じたかったりしまして笑

それからシェアハウスに引っ越したので、今は同じ家に友人もいるし、ここしばらくあまり孤独を感じたことはなかったんですね。

しばらく住んだし引っ越してまた一人暮らしに戻るのもいいかな~と思い始めて、そうするとぶつかるのが1人の寂しさの問題です。

1人暮らしの孤独をどう解決する?

今は人に囲まれて暮らしているからいいのですが、1人暮らしになったら1人の時間を持て余してしまわないだろうか?

新しい環境で新しいことをしていきたいけど、孤独で寂しい気持ちに潰されてしまわないだろうか?

ましてや、コロナ禍で人と会いづらいこの時期に。。。

シェアハウスは引っ越すとどうしても中の人とは縁遠くなるし。

新たなコミュニティに所属していくのが大事なんじゃないかな?と思い始めました。

前に、こんなことを聞いたことがあります。

「5つ以上のコミュニティに属すると精神が安定する」

これ、誰が言い始めたんでしょうね?ググってみてもよくわからなかったんですが、多くの人に認識されているようでもあります。

この議論自体は、1つのコミュニティに縛られてしまうと、そこでの価値観や人間関係に大きく左右されすぎてしまう、客観的に見られなくなってしまうという議論だと思います。

ただ、いくつか自分の関心のあるコミュニティに所属してみようか、そしたらどんなコミュニティを今から探していくのがいいんだろうか?と考えるようになりました。

  • 趣味の習い事
  • 社会人サークル
  • 英会話スクールなどの勉強

色んなものがあるな~と思っていた時に、友人から編集やクリエーターの集まりでコルクラボという面白い取り組みしてるよ、と教えてもらいました。

人は、4つか5つ自分の所属するコミュニティがあると、足場が安定し、自分の能力を発揮して挑戦できると言われています。

地域コミュニティ・会社コミュニティが崩壊し、核家族化が進む現在、挑戦する足場となり、安心できる居場所を持っている人はどのくらいいるでしょうか?

(略)

小さい一歩を踏み出すことをコルクラボでは、「聖なる一歩」と呼んでいますが、自分をもっと好きになるための仲間と居場所をつくり、みんなの挑戦への「聖なる一歩」を後押ししたいと思って、コミュニティの運営をしています。

他のコミュニティとの違いは、現役のクリエイターがいて、それをサポートしたいという人がたくさんいること。

文学・映画・音楽について語り合いながら、気がつくとお互いの人生について語り合い、仲間を知り、自分を知っていけること。

挑戦する足場となる居場所づくりの重要さを認識し、丁寧にコミュニティづくりをしようとする仲間が集まっている場所、それがコルクラボです。

https://lab.corkagency.com/about 「コルクラボとは/コミュニティとは(コルクラボ主宰 佐渡島より)」より一部抜粋

あーまたコミュニティの数の話!(4つ5つ自分の所属するコミュニティがあると足場が安定する)

そして、「挑戦する足場となり、安心できる居場所を持っている人はどのくらいいるでしょうか?」との問いかけ。

シェアハウスに入る前に、土日寂しすぎて街をフラフラしてた自分を思い出しました笑

こんなことを考えてコミュニティを立ち上げた人がいるんだ、主宰の佐渡島さんってどんな人なんだろう?と思って調べていて、佐渡島さんの書いたこの本にたどり着いたのです。

この本で何が得られるのか?

概ね、このように考えています。

この本を読むのがお勧めな人この本を読んで何が得られるのか
孤独に悩んでいる人孤独に悩まないですむにはどうしたらいいのか、考えることができる(本書全体)
なぜ孤独は辛いのだろうと考えている人孤独の問題が現代で深刻化したこと(第1章)、打ち手としてのコミュニティについての示唆を得られる(第2章以下)
孤独を解消するにはどうしたらいいだろうと思っている人打ち手としてコミュニティに属すること、立ち上げることについて知ることができる(第2~第4章)
コミュニティの立ち上げをしたい人インターネット社会におけるコミュニティの立ち上げ方について示唆を得られる(第2章、第3章)
コミュニティの運営に悩んでいる人コミュニティ運営において大事な要素、運営の上手い仕組みについて学べる(第3章)
会社や部活などでこれからマネジメントする立場になる人会社や部活等組織もコミュニティの一種である為、マネジメントする上で勉強になる(第3章)
ネットビジネスに興味がある人「経済圏としてのコミュニティ」を形成するとの考えは、需要を喚起する、潜在顧客を掴んでいくことへの学びになる(第2章)

他方で、この本を読んでも、このようなものは得られません。

  • 今この瞬間の寂しい気持ちを紛らわす方法
  • 寂しいと感じる瞬間をなくす方法

今の寂しい気持ちを紛らわすよりは、そもそも孤独や寂しさはなぜ生じるのか、どうやったら軽減できるのかを考えていく本です。

著者のプロフィール

本書の著者の佐渡島庸平さんはこんな方です。

講談社時代からヒットメーカーとして活躍され、作家さんが実力に見合った評価をしっかり受けられ、ヒットを出せるよう「作家のエージェント業」を手掛ける株式会社コルクを創業し、現在は代表取締役会長をされています。

佐渡島庸平(さどしま・ようへい)

株式会社コルク 代表取締役社長(※注:現在は代表取締役会長)

1979年生まれ。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社。週刊モーニング編集部にて、『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙也)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』など数多くのヒット作を編集。インターネット時代に合わせた作家・作品・読者のカタチをつくるため、2012年に講談社を退社し、コルクを創業。従来のビジネスモデルが崩壊している中で、コミュニティに可能性を感じ、コルクラボというオンラインサロンを主宰。編集者という仕事をアップデートし続けている。

「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ」著者プロフィール

大ヒットをバンバン飛ばしてらっしゃる方だったんですね。

最近まで全然知りませんでした。。。

この本を読みファンになってしまったので、佐渡島さんのこれまでの活動や書いてこられたものについてはまた調べていきたいと思います。

本書内容概説

目次

目次は以下のとおりです。各章ごとに節がありますがひとまず省略します。

  • はじめに
  • 第1章 現代の孤独とコミュニティ
  • 第2章 持続可能な経済圏としてのコミュニティ
  • 第3章 安全・安心とは何か?
  • 第4章 コミュニティを編集する
  • おわりに
  • 巻末ブックリスト

内容概説

第1章現代では自由は得たがコミュニティは崩壊、コミュニティで得ていた安心を失った
第2章コミュニティを作って需要を喚起していくことがこれからモノを売る上では必要
第3章コミュニティを作りあげるうえで、コミュニティが自走する「ドミノの1枚目」は安全・安心の確保
第4章コミュニティ運営は編集者の仕事である編集に似ている。コミュニティをどう運営すべきかの対談

はじめに・第1章「現代の孤独とコミュニティ」

ここで、本書の問題提起がなされます。

「僕の主張にみんなが納得してくれるのではなく、コミュニティとは何か?という問いを、みんなで考える。それが、この本の目指すところだ」

第1章のタイトルは「現代の孤独とコミュニティ」です。

現代に至るまでの時間的推移とコミュニティの在り方を追っていきます。

農村社会のコミュニティから、近代的な高度経済成長期的な都市部での資本主義に移り、会社と核家族という2つのコミュニティに人々は所属していました。

現代では、終身雇用の崩壊とともに会社のコミュニティは揺らいでいます。

また、定年後に急に人間関係がなくなってしまうことも問題として浮上してきました。

農村社会→近代→現代の比較がなされます。

農村社会コミュニティに所属している安心はあるが自由がない状態
近代農村のしがらみから解消され、自由を手にした。近所の住人は知らない人ばかりなので農村社会より安心は減るが、会社や核家族のコミュニティが精神的な受け皿となった
現代会社や核家族の崩壊により、自由はあっても安心が失われてしまった

人間は自由と安心の両方を求めるが、実はトレードオフの関係になっており両方を手に入れることが難しかったのが今までの社会の変遷であると。

筆者は問いを立てます。

「自由と安心、両方を同時に得ることは不可能なのか?」

この問いに対し、「インターネットの中で、好きを中心にしてできたコミュニティでは、両方を得ることができる可能性がある」という仮説を持ちます。

つまり、自由に自分の好きなこと、興味のあることを追求し、発信していくことと、同じような興味や関心を持つ人とのコミュニティを形成することで、安心も得ることができるのではないか、という仮説だと思います。

そうなると、次の疑問が出てきます。

「コミュニティを作るときに、何を意識して、どう工夫しないといけないのか?」

筆者はインターネット以前のコミュニティに関する議論を探しましたが、既存の本などでは見当たらず、より思索を続けることにしました。

自由についての思索

また、自由とは何かへの思索を深めていきます。

もっと長いタイムスパンで見てみると、人間は不自由になったのではないか、との見解を示します。

狩猟採取社会長年(人類の歴史始まって以来600万年とか)続いてきた生物としての人間には自然な形
農耕定住社会(現代まで)生物としての時間軸ではごく短い時間(とはいえ1万年)普段意識していないが、実は不自由な形(例えば決まった時間に起きて通学・出勤するなど)
インターネットによる新しい社会今は過渡期であり、新たな社会に移りつつあるのではないかインターネットやテクノロジーにより、本来の人間としてより自然な形になっていくのではないか

今は過渡期ですが、これからの社会はこうなっていくのではないか、との仮説も示されます

現代これからの新しい社会(今は過渡期)
アイデンティティ(自分の価値観の表明)何を持つか(持っているものである程度どんな人かわかってしまう)何をやっているか、なぜやっているか、何を良いと思うか(価値観が多様化しすぎ、モノではわからない。価値観そのものを表明することが大事)
人類の発展人類共通の不便や不満を解消すること自分の小さな不満や問題を発見すること
教育問題解決型の教育問題発見の教育
大事なもの知識や技術の習得個人の気持ちや個人そのものを発見し表明していくこと
コミュニティでの在り方マジョリティのコミュニティしかない(マジョリティに合わせないとコミュニティで会話できない)マイノリティのコミュニティを作りやすくなった

ただし、今のネットはオープンすぎて、両極端な価値観を持つ人が衝突する可能性があり、安心安全を確保できない為、ネットの中で価値観でつながるクローズドなコミュニティを作っていく必要があり、コミュニティの新たな形を探る過渡期であるとの指摘があります。

第2章 持続可能な経済圏としてのコミュニティ

「これから、作家を支えるために必要なのは、健全なファンコミュニティではないか?という仮説を持った」

佐渡島さんがプロデュースされている作家さんを見ていると、一過性のヒットを飛ばしても、次回作も読んでくれる「その作家のファン」になってくれる人は少なそうだった。

1回100万部のヒットを飛ばすよりも、10年間毎年作った作品が10万部ずつ売れた方が作家にとって幸福なのではないか?

ミュージシャンは活動休止して5年、10年経ってから再結成したら大ヒットを飛ばすことができる。作家はそうはいかない。

作家が5年間、1冊も本を出さなければ、ほぼ新人と同じ状態に戻ってしまって、再びヒットさせるのは難しい。何か昔の一発だけ当たったヒット作を思い出してみてほしい。その作家の作品が、書店で今、新しく大展開されているところをイメージできるだろうか?

「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ」

その違いは、ミュージシャンにはファンクラブがあって、ファンクラブは解散せずに維持されてきたからではないか。ファンクラブで話題づくりが自然とできるからなのではないか。

作家にも、同じことをすべきではないか、と思った、ということです。

基本を守ること

新しいことを始めるときに考えるのは基本だ。基本は、時代が変わっても変わらない。表面的な演出などが変わるだけだ

どんな産業も、そんなに仕組みは変わらないはずで、異常な仕組みは、結局は淘汰される。ネットによって、不自然なものは、より早く排除されていく。どんどんなめらかになっていくのだから、基本に忠実なほうがいい。

「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ」

パレートの法則に従って、他の産業のように2割の読者から8割の売上が立つよう作家業を再設計できないか、考察していきます。

コミュニティを作って成功している企業

Amazonと楽天の違いとして、Amazonは時間の節約を行い、効率的に欲しいものが買える。

楽天は画面がわかりづらいのにすごい売上をあげているのは、楽天に出店しているお店にファンがついているから、コミュニケーションをする中でゆるやかに需要が喚起される。

同様に、他のいくつかの企業でもコミュニティを作って成功している企業がある。

ほぼ日では、初期には外部の方がタダで寄稿していたが、報酬が発生すると「仕事」になってしまうので、敢えて報酬を出さず、「楽しいからやっている」という仕組みを作っていたのではないか、との考察を進めていきます。

そうした、コミュニティに参加するための仕組みがあるのではないか。

作家には、以下の流れをお勧めしている。

SNS(twitter, Instagram, facebook)を使うブログやサイトに長めの詳しい記事を投稿する有料コンテンツやメルマガ、LINE@など
オープン/クローズオープンなSNSオープンなSNSクローズドなSNS
発展段階ゆるやかなファンコミュニティを形成していくゆるやかなファンコミュニティを形成していくターゲットを限定し、ファンに向けての発信をする
ファンの参加意識・熱量低い低いが短文を読むだけの人よりは熱心なファンも形成されている参加意識の高い熱心なファン
発信内容公共の場での発信公共の場での発信親密な、クローズドな発信

クローズドなSNSでは、オープンな場での発信とは違う発信内容、違うトーンにしないと失敗する、とも指摘している。

第3章 安全・安心とは何か?

コミュニティを作るうえで、最優先事項は何か?コミュニティが自走するドミノの1枚目はどこにあるのか?

熱狂を大事にしていたら、熱狂していた人でも疲労してだんだん脱落していってしまう。

むしろ、安全・安心が確保されているからこそ、人は挑戦してみようと思うのではないか。

「すべてのサービスが、安全・安心の設計ができていないと、もはやユーザーの手元に届かない」

「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ」

安全・安心の後の熱狂

熱狂がなくていいわけではなく、熱量がなければコミュニティは活性化しない。

順番として安全・安心の確保が第一で、その後に熱狂がこなければいけない。

ただ、熱狂には2種類あり、テンションではなくモチベーションが高い状態を作らなければいけない。

テンションが高いモチベーションが高い
大声を出したり、体を動かしたりするなどの騒がしい熱狂心の中の静かな熱狂
困難にぶつかるとテンションが下がってしまう困難を乗り越えようとする

コミュニティを動かす仕組みの設計

コミュニティに入った人が何をすればいいかわかるような仕組みを設計することの重要さが指摘されます。

リアクションコミュニティに入った人がすぐ何をしたらよいかわかる仕組みを作って関与させていくこと
役割・イベント重要な役割ではなくても、決めたほうが人は動きやすくなる

その上で、学校は非常によくできたコミュニティで参考にするとよいと。

学校という仕組みは、コミュニティとして非常によくできている。(略)弱者がコミュニティに馴染めるように、学校にはたくさんの仕組みがある。

学校時代の友人が、一生の友になりやすいのは、利害関係がなく、青春時代を一緒に過ごすからだと思っていた。しかし、最近は、安全・安心が確保された場所で、コミュニティ運営がされているからだと考えるようになった。

ほとんどの学校が同じような年間スケジュールに落ち着くのは、学校教育の個性のなさの表れではない。学校にある、入試、入学前説明会、入学式、文化祭、運動会、クラスでの委員など、授業以外のさまざまな行事には、すべてコミュニティに必要な要素がつまっているのだ。

コミュニティを運営するときは、ゼロから発想しようとせず、学校行事に置き換えることができるイベントを作っておいたほうがいい。そうすれば、大人になってからでも、学校にいたときと同じように安全・安心が確保できて、同じような深い絆で結ばれるのではないかと考えている。

「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ」

自分の物語を聞かせること

相手がどんな人間なのか知ることは安心につながる。

その場にいるメンバーの安心のため、他の人が自分を理解できるように自分の物語を繰り返し語る。自分がなぜ、ここにいて、どこに向かおうとしているのか。

それを自分自身知ることが、自分がどこかに向かうモチベーション(=熱狂)になる。

運営方法をまとめると。。。

安全・安心を確保して、リアクション・役割を設計する。その環境の中で、安心して、自分の物語を語れるようにする。シンプルだけれど難しい。しかし、この環境を作れれば、コミュニティがうまく動き出すというのが、今の僕の仮説だ。

「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ」

第4章 コミュニティを編集する

4章は対談です。

対談相手の箕輪さんのプロフィールはこんな感じです。

株式会社幻冬舎 編集者

2010年に双葉社入社、広告営業やイベント運営などに携わった後、編集部に異動。2015年に幻冬舎に移り、編集者として働きながら、東洋経済オンラインやアドタイで自身のコラムを持ち、オンラインサロン「箕輪編集室」を主宰。堀江貴文イノベーション大学校で特任教授も務める。2017年10月、自身の会社として波の上商店を設立。2018年1月末、CAMPFIREと幻冬舎の共同出資会社、エクソダスの取締役に就任する。

2018年8月には自著『死ぬこと以外かすり傷』を出版、13万部を突破した。

2017年、NewsPicks Bookを創刊し編集長に。

わずか2年半で累計222万部を突破。

国内最大級のオンラインサロン・箕輪編集室を主催。

3章では、コミュニティの立ち上げや運営に関して佐渡島さんの考えが述べられました。

4章では、編集者であり、オンラインのコミュニティを主宰するという共通点がある箕輪さんとの対談で、お互いの編集や、コミュニティ立ち上げや運営に関する話を交わしていきます。

思索を巡らせながらやっていく佐渡島さんと、勢いで進んでいく箕輪さん。対照的な2人が面白いです。

本書を読んで感じたこと

孤独は解消されないが、コミュニティの力で和らげることができる

本書の結論としては、孤独は解消されるものではない、人間は本来孤独なものだ、ということです。

ただ、タイトルのとおり「我々は孤独だが、1人ではない(We are lonely, but not alone)」ことで、孤独からくる寂しさや問題は軽減されることが示唆されます。

孤独=心の中の問題を完全に他者にわかってもらうのは困難だけど、そばにいてくれる人がいるから人は前に進める。それがコミュニティの力だ、となって本書の結びとなります。

「人間は1人で生まれて1人で死んでいく」と言いますよね。

根深い問題だし、孤独感から完全に解放されるというわけにはいかないのかもしれません。

でも、そうした孤独の問題が、コミュニティの機能不全でより深刻な問題になっているという面はあると思います。

僕も、これからどんなコミュニティに参加していくのか、自分の現在地はどこなのか、また探っていきたいと考えています。

インターネットのロングテールな世界の中で、好きを中心にしてコミュニティができている、コミュニティを作ることができる

分かってる人からすれば何を当たり前のことを、という感覚なのでしょうか。

僕はネットやSNSでも、基本的に現実社会でも知人・友人である人としかつながっていませんでした。

ロングテールとか、言葉は知っていても、「マイナーな趣味を持つもの同士がつながってコミュニティを形成できる」といったことを考えたことはなかったので、非常に新鮮だったんですね。

佐渡島さんが作家をプロデュースしていく中では、SNS→ブログやサイトなどで長めの文章を発表→プライベートなグループへの情報発信、と進めていくとありました。

こうやって自分の関心事や自分の好きなことを元に知己を広げていくことは、自分自身の問題を解決する術なのではないか?と感じましたね。

佐渡島さんの思索の魅力

第1章で、これからは問題発見の教育になっていく、個人として何を問題と思うかの表明が大事になっていくとの話がありました。

それともリンクする話なのですが、そもそも佐渡島さんの「問いの設定」/「疑問に感じる力」と、その彼なりの答え(=仮説)が面白いなと。

  • なぜミュージシャンは活動休止しても、復活できるのか?
  • 自由と安心、両方を同時に得ることは不可能なのか?
  • 楽天とAmazonの違いは何か?
  • 一番、成功しているコミュニティは何か?
  • コミュニティが自走するドミノの1枚目はどこにあるのか?
  • 昔の人は、暇で退屈していた。現代人は、忙しいのに退屈している。忙しいのに退屈しているのは、なんでなんだろう?
  • コンテンツ産業は、ソフト産業といわれながらも、ビジネスの構造自体は本というハードを売っていて、真の意味でのソフト産業にはなっていない。どうすれば、ソフト産業へと移行できるのか?

こうした問いの設定と、彼が色んな人に取材したり、調べていく中で発見した仮説、そこからコルクを作ったりして仮説が正しいのかを行動で検証していくところ。。。世の中について考えていくところは非常に面白いです。

オマケ:本書の魅力はもう1つある

それは巻末のブックリストです。佐渡島さんが本書に関連する本をまとめてお勧めしてくれています。佐渡島さんのお勧めコメントも見てどの本を読むかも選べてとてもよいです!

僕も何冊か読んでみたい本がありました。特に影響力の武器と、佐渡島さんを形作った本は興味ありです。。。

ITを理解するための本

この本は、圧倒的な名著。これだけ深く、正しくインターネットによってもたらされる変化を理解して、言語化できていた人は、糸井さんしかいないのではないか。平易な言葉で書かれているが、理解するのには時間がかかる。何度も読み直したい。

『インターネット的』に書かれていることを、深く理解するための副読本としておすすめ。インターネットサービスの実例がたくさん紹介されながら、インターネットがどのように世の中を変えるのかが、解説されている。

この本も『インターネット的』の副題本としておすすめ。インターネットによって、メディアがどのように変わるのかを丁寧に解説している。発売から数年経っているが、その中の主張は一切古びていない。逆に正しく理解できるようになっているくらい。

インターネットにより社会が「なめらか」になるという概念を、初めに言語化したのは、スマートニュース代表取締役の鈴木健さんだ。この本は非常に難しい。僕も内容はほとんど理解できていない。研究所は気になる言葉を探すくらいの気軽な気持ちで読むといい。

家入さん自身が元引きこもりで起業家として成功している。弱い人をいかに生きやすくするかという視線で世の中を見ている。インターネットは弱者をエンパワーする。その時間軸を早める挑戦を家入さんはしている。

インターネットが変えたものは、情報のあり方だけではない。お金の価値、時間の価値も変わった。信用の在り処が、お金から人へと移り始めている。この本に書かれていることを実感として理解するのは『インターネット的』と同じように10年先だろう。

インターネットは初めはパソコンの中の、次にスマホの中のものになり、さらにすべてのものがネットにつながる。そうなると社会がどのように変化していくのか、という仮説を立てるときに役立つ本。このような本は鵜呑みにせずに読むのがちょうどいい。

SNSを理解するための本

SNSを使って、自分の夢をかなえた、ゆうこすさんによるSNSの使い方の解説本。実践的で役立つから、これからSNSを始めようという人が1冊だけ読むならこれを薦める。スポーツ選手が道具を大切にするように、SNSを好きになり、楽しむことが大切。

NHKのTwitterアカウントを運用していた浅生鴨さんによるSNS運用の本。どのようにして共感を得るのか、ツイートするときの心の細かい動きが書かれている。SNSを運用する心構えがわかる。

SNS事情が網羅的に説明されていて、どのような変化が起きているかを理解しやすい。「ググるではなくタグる」。この言葉の意味がわからなければ、読むといい。

コミュニティを理解するための本

ファンコミュニティを作ることの価値が、明快に描かれていて、簡潔に読みやすくまとまっている。コミュニティ本の中で最もお薦め。

インターネット以前から、ファンを大切にして、ファンコミュニティを作ったことで圧倒的な人気を長期間にわたって維持したグレイトフル・デッド。彼らのマーケティング手法は、インターネット的といえる。

一緒に作品を作ることで、ファンを共犯関係にしてしまうマーケティング手法。西野さんの行動が、直観ではなく時代を深く理解して、論理的に考えた上でのものだということがよくわかる。

コミュニティマネージメントを学ぶための本

弱さは、コミュニティを作る上では弱点ではない。その弱さを補い合おうとすることで、チームとして力を発揮できる。いかにお互いの弱さを肯定しあえるか。自分の意識を変えてくれる。

すごい人を見つけてくるよりも、今いるメンバーがお互いに刺激しあって、成長するほうが、勝つ可能性が高い。チーム作りの法則が、漫画『ジャイアントキリング』を使って紹介されている。『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』の副読本!

著書の長尾さんのチームビルディング研修に僕が参加している中で、より理解を深めるために、本を作ってもらった。完璧でないということは、弱さを見せられるということ。すごく読みやすくて面白い。

安全、安心、信用、信頼。それぞれの言葉の細かい定義など、この本を読むまで考えたことはなかった。この本で信頼に興味を持ったら、同じ著者の『信頼の構造』も併せて読むと理解が深まる。

タイトルが強烈だけれど、内容はすごく真っ当で、宗教がどのようにコミュニティを作ったのかをわかりやすく解説してくれている。コミュニティ運営をする上で参考になるところが多い。

弱さについて理解すると、コミュニティ運営がうまくいく。障碍者が自らの事例を話しているが、どれも僕たちが気づけていなかった些細な感情に気づくきっかけになる。弱者ではなく、感情のメモリが細かい人と捉えると、彼女たちに見えている世界が理解できる。

人の行動原理を理解するのに最適な名著。人は、たくさんのバイアスに支配されていて、無意識のうちにさまざまな影響を受けている。知識として、何に影響されるのかを知っておくだけで、自分の行動に客観的になれる。

自分をより深く知るための本

平野さんの分人主義は、僕の人生に最も影響を与えた思想。この思想を知って、僕の人生はすごく楽になった。自分が好きになれる分人を引き出してくれる人と、過ごす時間を増やすようになった。

タイトルから、デザインの専門書のように思ってしまうが、全く違う。課題解決型の思考法から、問題発見型の思考法へとどのようにして移るかについての本。読みにくいけれども、「意味」を求める思考法を手に入れるのに役立つ。

アドラー心理学を理解するのに最適な書。アドラーが言う課題の分離を理解できるようになって僕の人生は変わった。それまでは他人の課題を解決しようと思って、躍起になっていた。子育ての思想にも大きな影響を与えている。

僕を形作った本

最も繰り返し読んだ作品。村上春樹作品の中で、この処女作が最も好き。削れる一文を探そうとして読み返しても、どの一文も呼応し合っていて、どれも削れない。完成度がすごい高い小説だと思う。

この作品で、遠藤周作作品を大好きになり、文学好きになった。自分の弱さはどのようなものか、自分は人を裏切らない強さを持っているのか、そして、弱い、裏切る人間を許せるのか。そんな自問自答をこの作品がきっかけで何度もするようになった。

この作品、すごく好きなのに、短文で魅力を紹介しようと思うと、どの説明も間違っている気がしてしまう。読んでもらって、全体で理解してもらうしかない。文体、思想、どちらも僕は最高に好き。

ティム・オブライエンは、僕が卒論のテーマに選んだ作家。大学時代は、この作家の研究者になろうと思っていたくらい好きで、中でもこの作品が一番好き。愛とは何か、記憶とは何かを、考えさせられる。

好きな本を1冊だけ挙げろ、と言われたらこの本を選ぶ。カナダの詩人が書いた小説で、文章が美しい。美しさと面白さのバランスが、最高にいいと僕は感じる。ナチスの生き残りの人が、どのように人生の意味を見つけたかは、なぜかいつも惹かれるテーマ。

平野啓一郎の最高傑作。すごく長いけれど第2部の上巻から没入して、読む手は止まらないし、描かれている世界の美しさに涙が止まらない。この作品の魅力を、もっと短くして現代の人が読みやすくなるようにしましょう!といって編集したのが『マチネの終わりに』

愛とは何か?自由を誰よりも大切にしたアメリカの大統領とマス・ジェファソンと黒人奴隷女性との愛の物語。愛するということは、その人の奴隷になってしまうということ。壮大なテーマがファンタジーで描かれていて、不思議な魅力を持つ作品。

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